総合技術部の取り組み

総合技術部次長 高橋 秀典

 京都大学総合技術部は、265名 (令和3年6月1日時点) の教室系技術職員からなります。すべての部局の教室系技術職員を横断した全学組織として平成3年に設置されました。平成18年度には「京都大学教室系技術職員に係る組織要項」の一部を改正し、総合技術部の組織は、ほぼ現在の形になりました。

 総合技術部は、全学の教室系技術職員にかかわる諸課題についての審議機関として、総合技術部委員会を設置しています。総合技術部委員会が平成25年度から平成28年度にかけて設けた教室系技術職員評価体制等検討小委員会は、平成27年10月から導入した教室系技術職員向けの新たな勤務評定基準の制定につながりました。さらに平成29年度からは、総合技術部委員会の下に企画運営専門委員会を常設で置くことになり、総合技術部委員会の企画と運営の円滑化を目指して活動しています。これまで企画運営専門委員会では、組織化の方向性や総合技術部のビジョンなどについて審議、その成果を総合技術部委員会に上申し、総合技術部委員会で承認されています。

 総合技術部の運営には、技術長会議が重要な役割を果たしています。技術長会議は9つの技術部と2つの技術室、さらに情報基盤課の長で構成され、教室系技術職員の各種研修についての企画や実施だけでなく、各部局のさまざまな連絡や調整も担っています。また、専門分野ごとに設けた6つの専門技術群は、専門性の高い専門研修を企画し、教室系技術職員の資質の向上を図る活動を進めるとともに、同じ専門性を持つ教室系技術職員における技術の水平展開にも役立っています。

 平成28年度からは、総合技術部長を補佐する総合技術部次長職が新たに設けられました。従来置かれていた総括技術長よりも、教室系技術職員の視点で一歩踏み込んだ役割を担い、人材交流など人事全般にも関与しています。

 それぞれの教室系技術職員は、日ごろ各人が働く部局内における教育・研究活動を支援することが業務の中心です。総合技術部という組織を活用することで、他部局や他分野の教室系技術職員と幅広く交流することが期待できます。そのためには、非常に多様な仕事をしている教室系技術職員同士が、所属する部局内でより結束を強めるとともに、各部局同士の横のつながりにも目を向ける必要があります。総合技術部の活動がますます充実したものになることで、大学の教育・研究活動に一層貢献できることが目標となっています。